「不活化ポリオワクチン、予防接種をご存知ですか?」
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生ワクチン(OPV)と不活化ワクチン(IPV)とがあります.
全国各地で経口ポリオワクチン接種による副作用被害が報告されています.
ポリオワクチン接種には、生ワクチン(OPV)と不活化ワクチン(IPV)とがあります.
世界約40カ国では生きたウイルスを使わず、実際にポリオになることがない
「不活化ワクチン」が使用されています≪注1≫.
しかし、日本ではまだ「不活化ポリオワクチン」が承認されていないため、
1960年代の初めから現在まで「生ポリオワクチン」を使用しています.
OPV接種の場合、ポリオワクチンを飲んだ後、1ヶ月程はウイルスが便の中に出ます.
その為、この排泄されたウイルスがポリオの予防接種を受けていないお子さんなど、
ポリオウイルスに免疫を持っていない人や免疫機能が低下している人に稀ですが
感染することがあります≪注2≫.
問題だと考えられるのが、現在子育て真っ最中と思われる年代、
昭和50年から52年生まれの方(平成22年のお誕生日を迎えた33歳から35歳)の
人たちについては、十分な免疫が付いていない人の割合が比較的高いということが
わかっていることです.
免疫の無い方がポリオウイルス常在国に行かれる場合やお子さんがポリオ予防接種を
受けた時に、極めて稀に感染することがありますので、特にこれらの年齢層の方には
追加の予防接種を受けることが奨励されています≪注3≫.
生ワクチンは、製造コストが安く、接種法が簡単で、高い血中抗体や腸管粘膜免疫の
取得が可能です. しかし、稀とはいえワクチン関連麻痺(以下、VAPP:Vaccin-
associated Paralytic Poliomyelitis)の問題があります.
VAPPとは、OPVでは弱毒ポリオウイルスSabin株を生きたまま調整しているため、
接種者あるいは接触者に生じるポリオ様麻痺のことです≪注3≫.
VAPPの患者について、その患者の殆どが男性であったということ、またワクチン接種後に
出現した患者については、その殆どが第1回目の接種後に起こっていたという報告
≪注4≫があることも覚えておきたいものです.
また、VAPPの他に免疫不全者においては、ポリオが発症したり、毒力復帰した
ウイルスが長期間排泄されたりする可能性もあります≪注4≫.
日本でのポリオの予防接種について申し上げますと、生後3ヶ月から18ヶ月の間に2回、
6週間以上の間隔を空けて2回受けるという方法が予防接種法で定められています.
市町村が実施し、費用は公費で負担されるているため、多くの市町村は集団接種とし、
毎年春と秋とに2回だけ予防接種の時期を設けています.
これらの指定された時期に熱が出ていたり、下痢をしていたりなど体調が優れなかった場合、
また、規定された年齢を逸すると任意接種となり、費用は自己負担となってしまいます.
当院では、「不活化ポリオワクチン」を常備しております.
生きたウイルスを使わず、実際にポリオになることがない「不活化ワクチン」ですので
VAPPの心配はございません.
ただ、任意接種となりますので、費用が自己負担となりますが、春と秋に限定されず
いつでもご希望の時期に接種することが可能です.
以上の事を鑑みて、どうぞご検討くださいませ.
下記に当院で使用しているワクチンについて掲載しておきますのでご参照ください.
≪注1≫ 「欧米とワクチン格差」、朝日新聞、2010年3月24日
「男児、ポリオ発症、神戸、ワクチン未接種」、asahi.com、2010年2月19日
≪注2≫ 「ポリオ予防接種−予診表−」、http://www.pdffond.com/pdf/q2dp6/ 、2010年4月7日
≪注3≫ 「ポリオ接種後のワクチン関連麻痺について」、www.pariet.jp 、2010年6月10日
≪注4≫ 「ポリオワクチンを巡る最近の状況と我が国の将来」、公衆衛生審議会感染症部会
ポリオ予防接種検討小委員会、平成12年8月31日
【製品名】 inactivated poliomyelitis vaccine
【商品名】 IPV Merieux/ IMOVAX
【会社名】 Sanofi Pasteur MSD
【輸入先】 Europe
【スケジュール】
1回----> 2回----> 3回----> 4回----> 追加免疫 (5年毎)
↑ ↑ ↑ ↑ (成人は10年毎)
1-2ヶ月 1-2ヶ月 1-2ヶ月 1年